インナーチャイルド(内なる子ども)

内なる子ども 9 

  

インナーチャイルドの癒しと解放  

 『インナーチャイルド・セラピー』の流れ(4)

 

ステップ5

 

「しばり」から解放された自分の再構築


今の自分を苦しめているものが、インナーチャイルドを心に抱えていることが要因であると知り、嘆きと癒しの作業が終わったら

 

では、これからどうすればよいのか

 

を考えます。


なによりも今の自分を大切にするために、自分のこれまでの信念を再検討し、不必要だと思うならそれを捨て、新たに人生の歩み方を自分で選択する自由を獲得します。

「私は〇〇しなければならない」「〇〇だから私は駄目なんだ」「〇〇だから私は愛される価値がない」といった心に刻印された「しばり」や「信念」が

 

私は私のままでいい
私は自分が大好き
私は愛される価値がある
私は自由に選ぶことができる
私は自分で自分のことは決める
私は全ての人に気に入られなくてもいい


という、プラスの信念に書き換わっていきます。


この新しい自分へのメッセージこそが、これからの人生の新たなる道しるべであり、自分の力で運命を開く力となるのです。

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以上が『インナーチャイルド・セラピー』の一連の流れです。

インナーチャイルド・セラピーの嘆きと癒しの作業によって、心の傷、心に空いた穴がだんだんと埋まってゆきます。

その心の傷やぽっかり空いた穴は、これまで他の誰かによって埋めてもらおうとしても、けっして埋めることのできないものであったはずです。

しかし、小さな子どものときには不可能であった心の中のインナーチャイルドを癒す作業も、大人になった今、初めて可能になりました。

これまでインナーチャイルドを抱えながら、さまざまな苦しみを乗り越えてきたからこそ、本当の自分を十分に癒し勇気づける力を備えることができたのです。


インナーチャイルド・セラピーは、今大人になった自分の力を活用する癒しの方法です。このセラピーによって、自分の中へ潜在的に備わっている、プラスのストロークが徐々に力強く出現してきます。

 

そして、心をがんじがらめに覆っていた「シバリ」がはがれ落ち、羽化したばかりのセミの羽が、太陽の光を浴びてみるみるうちに力強く形成するように、心がのびのびと広がってゆきます。そして自由にどこへでも羽ばたいてゆけるようになるのです。


これが「嘆き」と「癒し」の作業であり、『心の浄化』と表現されるものです。

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◆「嘆き」と「癒し」のセルフセラピー(ひとりで行う)

 

先に、ステップ3『嘆きの作業』以降は、「信頼できるカウンセラーやセラピストとともに行うことが望ましい」と申し上げました。

 

しかし、傷がそれほど深くないと自己判断できた場合、これまで記載した知識を念頭に置きながら、ステップ3『嘆きの作業』・ステップ4『癒しの作業』も、セルフセラピー(自分ひとりで行う作業)が可能です。

しかし、途中で自分一人では手に負えないと思ったときには、信頼できる人や、カウンセラー・セラピストなどの援助を積極的に求めてください。

必ず次の「3の作業」(ステップ1~4)を一連セットで行ってください。

 

ステップ1「機能不全家族であるという認識」
ステップ2「過去の吟味」


トラウマ(心の傷)の再現
  ↓

 

ステップ3「嘆きの作業」


感情の吐露
  

 

ステップ4「癒しの作業」


承認と受容

どのステップでどのくらいの時間や期間がかかるかは、人により千差万別です。1回で全ての作業を終える場合もあれば、何ヶ月あるいは何年もかかる場合もあります。


しかし、どれかを飛ばしたり、ステップの途中で終えてしまうのはよくありません。気づき、感情の吐露、受け入れ認める、それを終えたうえで未来を再構築してゆきます。

トータルで行うことで初めて、今まで心を縛ってきた幻の鎖が消滅し、インナーチャイルドが解放されるのです。

次の『インナーチャイルド・セラピーの注意点』で、「インナーチャイルドの解放」は終わります。