インナーチャイルド(内なる子ども)

内なる子ども 6
 

  

インナーチャイルドの癒しと解放  

 『インナーチャイルド・セラピー』の流れ(1)

大人になっても、子どものときに受けた心の傷を抱えており、それが今現在の生きづらさになっているとき。

これは心の中に「傷つき泣いている子どもの心」、つまり今もあの頃のまま泣き続けている「インナーチャイルド」が存在しているということ。

これは決して特殊なケースではなく、誰でも少なからずもっていることを知って頂きたいと思います。

そのなかでも、遺伝や環境などの複合的な要素も含め、機能不全家族によって「インナーチャイルド」の傷がとても深く、社会生活に支障をきたしたり、様々な症状によってあなたを苦しめている場合、その癒しと解放がどうしても必要になるのです。

そのための心理療法のひとつ、インナーチャイルドセラピーを紹介します。


ステップ1
機能不全家族であったかどうかを知るために

<機能不全家族とは>

・ 子どもに対する愛の感じられない冷たい家族
・ 子どもを身体的・精神的に傷つける虐待が起きている家族
・ アルコール依存や共依存の家族がいる家族
・ 夫婦や嫁姑の仲が著しく悪い家族
・ ことあるごとに怒りが爆発している家族
・ 世間体・学歴・財産・仕事などに大きな価値をおく家族 
・ 子どもに過剰な期待をする家族
・ 家族同士の秘密がとても多い家族
・ 親と子の役割が逆転している家族
・ 情緒不安定な親のいる家庭 
・ 子どもを過度に溺愛し子どもの言いなりの家庭

以上のような家庭で、子どものときの自分が安心して過ごせる時間が少なく、リラックスできずに常に緊張を強いられ、寂しく憂鬱な時間を過ごしていたら、その子にとってその家庭は機能不全家族なのです。


自分の育った家族に「機能不全家族」というレッテルを貼ることに抵抗を感じることは当然です。
しかし、戦後の家庭の約80%が、程度の差こそあれ上記のような要素を含んでいると分析する研究者もいます。それほど、どこの家族にもあり得ることなのです。

自分自身が機能不全家族で育ったかどうかを認識することは、けっして親を責めるものではなく、親を傷つけるものでもありません。たとえば、機能不全家族の原因となっている親であったとしても、その親の育った家族からの世代間連鎖からそうならざるを得なかったという事情もあるのです。

ですから、自分の育った家族が機能不全家族であるかを認識するということは、親や他の家族との感性や価値観のズレに気づくためのものだと考えてください。

「機能不全家族」と認識するのは他の誰でもない、いちばん弱い立場の子どもであった、あなた自身です


ステップ2
過去の吟味

前回述べたように、現状での様々な問題は表層に現れた氷山の一角です。
その問題を引き起こす、子どものときに自らを守るために身につけた「しばり(信念)」を過去を遡り吟味します。

     『過去』の吟味
◆ 過去自分はどのような家庭(環境)で育ち
  どんな思いで過ごしていたか?

◆ 親からの条件つきストローク、マイナス ストローク
  によって、生き延びるために自ら身に付けた
 「しばり」は何か?
 
       ↓
     
     『現在』の吟味
◆ 幼少期から現在まで持ち続けている
 「しばり」は何か?
 (〇〇すべき、禁止令など)

       ↓
    
     『癒しと解放』
自分のなかのインナーチャイルドを癒し、
自分に課した「役割」「しばり」に挑み
それからの脱却


       ↓

     『未来』への決意
「今このとき」からどう生きていくか

◆しばりを手放し、新たな人生と
 新しいライフスタイルを手に入れる

 
次回は、癒しと解放の具体的な方法についてです。